雲南省（うんなんしょう）は、中国の南西部に位置する自然豊かな省で、風光明媚な観光地が数多く点在しています。多様な民族文化、豊かな自然、歴史的な遺跡など、多彩な魅力が訪れる人々を引きつけます。以下に、雲南省の代表的な観光スポットを詳しく紹介します。
麗江古城（リージャン古城）
麗江古城は、中国のユネスコ世界遺産に登録されている歴史的な都市で、南宋時代（13世紀）に遡る美しい町並みが特徴です。麗江古城は典型的な中国の古代都市のレイアウトを持ち、曲がりくねった石畳の通り、川沿いの木造家屋、そして豊かなナシ族（ナシ族）の文化が色濃く残っています。観光客は、迷路のような小道を散策しながら、伝統的な工芸品や土産物、地元料理を楽しむことができます。夜になると、町は提灯の光で照らされ、ロマンチックな雰囲気が漂います。
麗江古城の中心には「四方街」という広場があり、ここから伸びる通りには数多くのカフェやレストランが並んでいます。また、近くには玉龍雪山があり、標高5,596メートルの山頂は登山やスキーを楽しむ観光客に人気です。玉龍雪山の麓には、「藍月谷」と呼ばれる美しい渓谷もあり、エメラルドグリーンの湖と滝が見どころです。
大理（ダーリー）
大理は、歴史的に「南詔国」の首都であり、雲南省の中心部に位置する観光名所です。大理古城は石造りの城壁で囲まれており、古い家屋や塔、寺院が点在しています。大理の街は、バイ族（白族）の伝統文化が根付いており、バイ族の建築様式や伝統的な手工芸品、民族衣装を見ることができます。
大理のもう一つの魅力は、大理湖（洱海）です。この広大な湖は標高2,000メートル以上に位置し、透明度の高い水と周囲の山々が作り出す絶景で有名です。湖畔の道をサイクリングしたり、ボートに乗って湖を探索したりするアクティビティが楽しめます。また、湖畔には伝統的な村落や観光地が点在しており、観光客にとってのハイライトとなっています。
シャングリラ
シャングリラは、標高3,200メートルに位置する高地の街で、チベット文化と深く結びついています。街の名前は、1933年の小説『失われた地平線』（ジェームズ・ヒルトン著）に登場する伝説の理想郷「シャングリラ」に由来し、2001年に公式に「シャングリラ」と改名されました。
観光の目玉は、チベット仏教の神聖な寺院である「松賛林寺」です。松賛林寺は「小ポタラ宮」とも呼ばれ、チベット仏教の伝統建築様式が施されています。内部には色鮮やかな仏像や壁画があり、訪れる人々を魅了します。
さらに、シャングリラ周辺の自然景観も見逃せません。近くの梅里雪山は標高6,740メートルで、神秘的な景観を誇ります。登山やトレッキングが人気で、山岳地帯ならではの美しい風景が楽しめます。
西双版納（シーサンパンナ）
西双版納は、雲南省の南部に位置し、タイ文化と関わりの深い地域です。多様な民族グループが暮らしており、特に傣族（タイ族）の文化が色濃く反映されています。西双版納は熱帯気候に属し、年間を通して温暖で、豊かな植物相や動物相が魅力の一つです。
観光客に人気のスポットは「西双版納植物園」です。ここはアジア最大級の植物園で、2,000種類以上の植物が生育しています。特に、野生ランのコレクションやバンヤンツリーの森が見どころで、自然愛好家にとっては必見の場所です。また、象やトラなどの動物を見ることができる「西双版納野生動物保護区」もあり、サファリツアーを楽しむことができます。
傣族の文化に触れるなら、「水かけ祭り」がおすすめです。この祭りは、タイのソンクラン（タイ正月）に似た行事で、4月中旬に開催されます。観光客も地元の人々と一緒に水をかけ合い、無病息災を祈ります。
石林
石林（シーリン）は、昆明市から約120キロメートル東に位置する地質公園で、世界ジオパークに認定されています。約3億年前の石灰岩が侵食されて形成された奇岩群が広がり、まるで巨大な石の森のような風景が広がっています。その景観は圧巻で、各岩石には「象の鼻」や「双子の塔」などの名前が付けられ、観光客の想像力を掻き立てます。
石林の近くには、サニ族（イ族）の村があり、伝統的な民族文化を体験することができます。サニ族の人々は、カラフルな民族衣装を着て、民族舞踊や音楽を披露することがあり、観光客にとっては文化交流の貴重な機会となります。また、石林は『阿詩瑪』というサニ族の古代叙事詩に登場する伝説の舞台でもあります。観光中には、地元のガイドがこの伝説について解説してくれることもあり、物語に触れることができます。
雲南省は、歴史的な都市や美しい自然景観、そして多様な民族文化が調和した観光地として、中国国内外の観光客に人気があります。麗江古城、大理、シャングリラ、西双版納、そして石林といった観光スポットは、それぞれ異なる魅力を持ち、訪れる人々を引きつけてやみません。
