音楽フェスの「ブーム」はいつ始まったのか
日本における音楽フェスの歴史は、1997年に始まった「FUJI ROCK FESTIVAL」が大きな転換点だ。当初は嵐に見舞われた苦難のスタートだったが、その後毎年開催を続け、日本最大級の野外音楽フェスとして定着した。フジロックの成功は「日本でも海外型の大型野外フェスが成立する」ことを証明し、その後の日本フェスブームの礎となった。
日本の主要音楽フェスとその特徴
FUJI ROCK FESTIVAL(フジロック)
1997年から毎年夏に新潟県湯沢町の苗場スキー場で開催される日本最大級の野外音楽フェス。海外アーティストのヘッドライナー出演が多く、ロック・インディー・電子音楽など幅広いジャンルをカバーする。3日間で約10万人以上の来場者を誇り、「日本のウッドストック」とも呼ばれる。
SUMMER SONIC(サマーソニック)
2000年から始まった都市型音楽フェスで、東京(千葉)と大阪の2都市で同時開催される。フジロックと並ぶ規模を誇り、洋楽アーティストの大型出演で知られる。都心からのアクセスの良さが特徴で、フジロックとは異なるファン層に支持されている。
ROCK IN JAPAN FESTIVAL(ロッキン)
2000年から始まった国内アーティスト中心の音楽フェス。茨城県ひたちなか市(現在は千葉県の袖ケ浦での開催も)で開催され、J-POPやロックを中心とした日本人アーティストのパフォーマンスが楽しめる。国内フェスとしては最大規模で、動員数は年間数十万人に及ぶ。
フェスブームを牽引したアーティストたち
音楽フェスの盛り上がりとともに、「フェス映え」するアーティストが注目されるようになった。ONE OK ROCK・マキシマム ザ ホルモン・キュウソネコカミ・[Alexandros]・WANIMA・緑黄色社会・Vaundyなど、野外の大きなステージで全力パフォーマンスを届けられるアーティストたちが、フェスシーンを牽引してきた。特に観客と一体になるライブパフォーマンスが持ち味のアーティストは、フェスでの評価がそのままCD/配信売上に直結するケースも多い。
フェス文化がもたらした変化
音楽フェスの普及は、日本の音楽消費の形を変えた。CDが売れなくなった時代に「ライブ・フェスのチケット代」が音楽産業の重要な収益源となり、「音楽をスタジオで聴くもの」から「生で体験するもの」という価値観のシフトが起きた。また、フェスで初めて知ったアーティストの音楽を後からストリーミングで聴くという「フェス経由の新規ファン獲得」サイクルも確立した。
コロナ禍とフェスの復活
2020〜2021年のコロナ禍では多くの音楽フェスが中止・縮小を余儀なくされ、フェス業界は深刻な打撃を受けた。しかし2022年以降に制限が緩和されると、コロナ禍で鬱積していた「ライブへの渇望」が爆発し、フェスの動員数は急回復した。2023〜2024年はコロナ前を超える盛り上がりを見せるフェスも多く、音楽フェス文化の底力を示した。オンライン配信とリアルイベントの組み合わせというハイブリッド型フェスも定着しつつある。