2024年の日本音楽シーンを振り返ると、ストリーミング主導の時代がいよいよ完全に定着したことがわかる。CDセールスの数字ではなくSpotifyやApple Musicの再生数が「ヒットの証明」となった今、チャートの意味合いそのものが変化している。本ランキングは、ストリーミング再生数・カラオケランキング・SNS話題量を総合した芸トピ編集部の独自集計によるものだ。
2024年ヒット曲 TOP 20 ランキング
🥇 1位:Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」
アニメ「マッシュル-MASHLE-」第2期オープニングテーマとして2024年序盤に登場し、爆発的な再生数を記録した。TikTokでの振り付けバズが全世界に波及し、Spotifyグローバルチャートにも長期ランクイン。ラップとポップスを融合させたキャッチーな楽曲構成が、年代を問わない広い層を取り込んだ。2024年最大のヒット曲との呼び声が高い。
🥈 2位:YOASOBI「アイドル」
2023年リリースながら2024年も再生数を積み上げ続けたロングテール型メガヒット。アニメ「【推しの子】」との連動効果が持続し、海外ファンからの支持も衰えなかった。日本楽曲として異例のSpotifyグローバルチャート1位を達成した記録は、2024年も語り継がれた。
🥉 3位:Vaundy「怪獣の花唄」
複数年にわたって再生数を積み重ねるVaundyの代表曲。2024年もカラオケランキングで常に上位をキープし、世代を超えた人気を維持した。ドラマタイアップ効果で新規リスナーへの波及も続き、定番曲としての地位を確立した。
4位:Official髭男dism「Subtitle」
ドラマ「silent」の主題歌として大ヒットした楽曲が2024年も愛聴され続けた。特に冬〜春シーズンのカラオケランキングで上位を記録し、「切ない恋愛ソング」の代名詞として定着している。
5位:米津玄師「地球儀」
映画「君たちはどう生きるか」の主題歌として制作されたこの楽曲は、スタジオジブリとの異例のコラボで話題を集めた。独自の世界観と米津玄師ならではのサウンドプロダクションが高く評価され、ストリーミングで継続的に再生された。
6位:Ado「唄」
映画「ONE PIECE FILM RED」の主題歌として世界中でヒットした楽曲。2024年もライブやイベントで頻繁に披露され、Adoの代表曲として引き続き再生数を伸ばした。圧倒的な歌唱力で魅せるライブパフォーマンスとの相乗効果が大きい。
7位:新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」
TikTokで「首振りダンス」がバズり、世界中でリメイク動画が拡散した一曲。2024年も海外での再生数が増え続け、日本のアーティストのグローバルなバズの可能性を示した先駆例となった。昭和歌謡へのリスペクトを感じさせるサウンドと現代的なダンスの組み合わせが絶妙。
8位:藤井風「死ぬのがいいわ」
国内リリースから時間を経てタイや東南アジアで爆発的に流行。逆輸入的な形で日本国内でも再注目される珍しいヒット経路をたどった。2024年も海外からの新規ファン流入が続き、藤井風のグローバルな知名度向上に大きく貢献した。
9位:King Gnu「SPECIALZ」
アニメ「呪術廻戦」渋谷事変編のオープニングテーマとして大ヒット。King Gnuの音楽的な複雑さとアニメのバイオレンスな世界観が見事に融合した一曲で、アニメファン以外にも幅広く浸透した。
10位:back number「水平線」
長年にわたって愛され続けるback numberの名曲。2024年もドラマや映画で使用され、ストリーミング再生数を伸ばし続けた。「じわじわとランキング上位に滞在し続ける」という同バンドの特性を体現している。
11位:SixTONES「こっから」
ジャニーズ(現SMILE-UP.)系グループの中でも独自のロックテイストを打ち出すSixTONESの意欲作。2024年はグループとして新たなフェーズに入り、ファンクラブ外への認知も広がった。
12位:Perfume「Flow」
長年のキャリアを持つPerfumeが2024年にリリースした新曲。テクノポップの祖として国内外にファンを持つPerfumeが、最新のサウンドトレンドを取り込みながら独自のスタイルを維持した。
13位:Mrs. GREEN APPLE「コロンブス」
ポップでキャッチーな楽曲でチャートを席巻するMrs. GREEN APPLEの2024年ヒット曲。疾走感あるメロディと大森元貴の歌声が多くのリスナーを惹きつけた。
14位:星野源「生命体」
ドラマとのタイアップで話題を集めた星野源の楽曲。独特のグルーヴ感と洗練されたアレンジが、幅広い年代のリスナーに支持された。
15位:NiziU「HEARTRIS」
日韓合同プロジェクトで誕生したNiziUが、2024年も安定した人気を維持。英語・日本語・韓国語を混在させた楽曲スタイルで、多国籍なファン層を獲得し続けている。
16位:Snow Man「タペストリー」
グループの音楽的な成熟度を感じさせるバラード。ファン層を超えた広い支持を集め、カラオケでの人気も高い。ライブでの生歌パフォーマンスが評価されたことも再生数増加に寄与した。
17位:sumika「フィクション」
映画・アニメのタイアップで知名度を上げてきたsumikaが2024年も存在感を発揮。青春的なテーマと抜けの良いサウンドが、10〜20代を中心に支持されている。
18位:LiSA「REDALiCE feat. LiSA」
アニメタイアップで確固たる地位を築くLiSAの楽曲がクラブシーンの音楽と融合した意欲作。LiSAの持つ熱量あふれる歌声がエレクトロなサウンドに乗り、新たなファン層を開拓した。
19位:あいみょん「マリーゴールド」(配信再燃)
数年前のヒット曲が2024年にドラマで再使用され、ストリーミングで再び上位ランクインを果たした。時代を超えて愛されるあいみょんの楽曲の底力を示した。
20位:緑黄色社会「Mela!」(ロングラン)
リリースから数年が経過しても上位をキープし続ける緑黄色社会の代表曲。CMや映像作品での使用が続き、世代を超えた定番曲として定着している。活力ある歌声と爽快なサウンドが飽きられない要因だ。
2024年を象徴するサウンドトレンド
2024年のヒット曲を通して聴くと、共通するキーワードが浮かぶ——「映像連動」だ。アニメ、ドラマ、映画とのタイアップ曲がチャート上位を独占した年でもある。「鬼滅の刃」や「SPY×FAMILY」など大型アニメのタイアップは確実に再生数を上乗せするが、2024年に顕著だったのは、ショートドラマやYouTube連載との連動で火がついた楽曲の台頭だ。テレビタイアップ一強の時代が終わり、デジタルコンテンツとの掛け算でヒットが生まれる多様な回路が開拓された。
カラオケランキングとの乖離
興味深いのは、ストリーミングランキングとカラオケランキングの乖離が2024年においても続いていることだ。ストリーミングで数億回再生される楽曲が必ずしもカラオケで歌われるわけではない。これは「聴く音楽」と「歌う音楽」の分化を示しており、ミュージシャンの楽曲制作戦略にも影響を与えつつある。Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」はストリーミングとカラオケ両方でヒットした珍しい例と言える。
2025年への影響
2024年のチャートが示したもう一つの傾向は、「バズ起点」のヒット創出だ。TikTokで拡散したメロディーがストリーミングへ流入し、カラオケへ波及するというフローが定着した。2025年のヒット曲予測においても、この「バズから始まるヒットの連鎖」は主要な経路であり続けるだろう。