舞台と映像——二つのフィールドを制する芸能人
ミュージカルと映像作品(テレビドラマ・映画)の両方で活躍する「二刀流芸能人」は、演技力と歌唱力を高いレベルで兼ね備えた実力派として業界内での評価が特に高い。舞台は台本通りの完璧な演技よりも「今この瞬間」の緊張感と表現力が求められ、映像とは異なる技術が必要だ。
井上芳雄:ミュージカル界の絶対的王者
「日本ミュージカル界のプリンス」と称される井上芳雄は、「エリザベート」「レ・ミゼラブル」「モーツァルト!」など海外の大型ミュージカルで主役を演じながら、テレビドラマ・映画にも出演する両刀使いの代表例だ。2021年には「日曜の秘密」(TBS)でテレビドラマ主演を果たし、ミュージカル俳優の映像進出モデルを示した。
中川晃教:作曲家・俳優としての二面性
中川晃教は俳優・歌手としての活動のみならず、ミュージカルの楽曲を自ら作曲する異色の存在だ。「DNA〜SHOW OF SHOWS〜」など自作自演のステージを発表し、エンターテイナーとしての幅の広さで国内外のミュージカル界から高い評価を受けている。
宝塚OGの映像界進出
宝塚歌劇団出身者の映像界進出は活発だ。天海祐希は宝塚の男役トップから退団後、テレビドラマ主演女優として数々のヒット作に出演し、現在も第一線で活躍している。黒木瞳も同様に宝塚出身の大女優として知られる。近年では朝夏まなとや早霧せいなど元トップスターがドラマ・映画に積極進出している。
若手注目株:ミュージカル発のスター
「テニスの王子様」「刀剣乱舞」など2.5次元舞台出身の俳優が映像に進出するケースも増えている。佐藤流司・松田凌・和田雅成など、2.5次元ミュージカルで鍛えられた若手俳優はアクション・歌唱・演技を兼ね備えた存在として注目を集めている。
日本のミュージカル市場の規模
日本のミュージカル市場は欧米と並ぶ規模を持つ。東宝ミュージカル・劇団四季・宝塚歌劇団を中心に、東京・大阪の劇場では年間を通じて大型作品が上演されている。劇団四季は年間200万人以上の観客を動員し、「ライオンキング」「アラジン」「オペラ座の怪人」などのロングランは日本のミュージカル文化の底堅さを示している。