企業がどの芸能人をCMキャラクターに選ぶかは、その年の芸能界のトレンドを映す鏡でもある。2024年のCM起用ランキングには、好感度の高い実力派俳優やバラエティでも活躍する「親しみやすいスター」が上位を占めた。一方で、SNSフォロワー数やZ世代への認知度を重視した起用も増え、企業の広告戦略は多様化している。

2024年CM起用数トップの顔ぶれ

2024年に最も多くの企業に選ばれた芸能人の特徴を分析すると、「清潔感」「信頼感」「幅広い世代への訴求力」という3要素が共通している。食品・飲料・金融・保険といった生活密着型の業種では特に、ネガティブなイメージがつきにくいアーティストや俳優が重宝される。スキャンダルリスクへの意識は年々高まっており、芸能事務所サイドも広告価値を守るためのリスク管理に力を入れるようになった。

人気女優やアイドルグループのメンバーは複数ブランドのCMを同時に掛け持ちするケースが目立つが、起用企業が「かぶらないように」ジャンルを調整するコーディネートも一般的だ。飲料と自動車は同じ人物でもOKとされることが多い一方、競合他社のCMに重複出演することは通常タブーとされる。

SNS発スターのCM起用増加

2024年の目立つ傾向の一つが、TikTokやInstagramで人気を博したインフルエンサーやYouTuberをCMに起用する動きだ。従来の芸能事務所所属タレントとは異なるルートで知名度を得た彼らは、特定の年齢層・趣味層への訴求力が強い。コスメ、食品、ゲームアプリなどの分野では、数百万のフォロワーを持つ人物がテレビCMに出演する例も珍しくなくなった。

企業が芸能人に求めるイメージの変化

かつてCMキャラクターに求められたのは「有名であること」と「好感度」の2点が中心だったが、現在は「その人物がどのようなストーリーを持っているか」という軸も重要視されるようになった。社会課題への発言や環境への姿勢など、芸能人のパーソナリティが企業ブランドと一致しているかが選考基準に加わっている。「ただ有名なだけ」では企業の選考を通りにくい時代となり、芸能人自身も自分のブランド価値を意識した活動が求められている。